アレルギー科
アレルギー科
近年、環境の変化により様々なアレルギー疾患が増えています。
アレルギー疾患においては単なる治療にとどまらず、原因を明らかにすることも大切です。
◎次の症状がある方はご相談ください。
アレルギー科には「アレルギー・マーチ(atopic march)」という概念があります。それは、小児期にアトピー性皮膚炎から、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎と次々に異なる時期に症状を発症していくことです。小児期に「アレルギー・マーチ」の発症、進展を予防することが重要な課題であり、そのために早期診断のために受診をお勧めします。
アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹が体や四肢の左右対称にできる慢性的な皮膚疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚症状が、患者様の年齢によって変化するのも特徴です。
アトピー性皮膚炎の原因は、まだはっきりとはわかっていませんが、遺伝的な体質に加え、食生活や環境的要因が影響して発症すると考えられています。アトピー性皮膚炎の治療には外用治療と内服治療があります。
アレルギー性結膜炎はⅠ型アレルギーが関与する結膜の炎症疾患で、何らかの自覚症状を伴います。アレルギー反応のメカニズムは他のアトピー性疾患と類似していることが多いです。季節性アレルギー性結膜炎、通年性アレルギー性結膜炎、春季カタル、アトピー性角結膜炎、巨大乳頭結膜炎など分類が分かれています。臨床では、花粉症を見ることが多いですが、その季節性アレルギー性結膜炎では、木や草花の花粉がアレルゲンとなり、飛散量の増加とともに症状が悪化します。通年性アレルギー性結膜炎や春季カタルでは、カビ、ハウスダストなどがアレルゲンとして関与しています。こういった原因を把握するうえでも、当院では、アレルギー採血などでしっかりと原因追及も行っていくことが大事だと考えております。
アレルギー性鼻炎は、鼻粘膜のⅠ型アレルギー疾患で、原則的に発作性反復性のくしゃみ、水溶性鼻漏、鼻閉を主症状とする疾患です。若年層のアレルギー性鼻炎の自然治癒率は低く、日常生活のQOLも低下するため、クリニックでの継続的な治療が必要と考えられます。
気管支喘息とは、気管支(気道ともいいます)の粘膜に慢性的に炎症が起きる結果、気管支の内腔が狭くなり、気管支が様々な刺激に対して過敏になる結果、咳や痰、呼吸困難などの症状が急に起き、繰り返す病気です。誘因・原因はさまざまですが、わが国で最も多いのは、抗原となるタンパク質(アレルゲン)を吸入することで気管支にアレルギー・免疫反応が生じて発症するタイプです。この他に、運動や特定の薬剤を服用することで同様の症状を引き起こすことがあり、それぞれ運動誘発喘息、アスピリン喘息と呼ばれています。
食物アレルギーは食物を摂取することにより引き起こされます。食物アレルギーの原因食品として、鶏卵、牛乳、大豆が3大アレルゲンとして言われてきましたが、最近は、大豆よりも小麦の頻度が高く、7歳以後は、そば、エビ、魚介類による食物アレルギーも増加しています。アレルギー採血で、原因食品を見つけることもできるので、アレルギー症状がある方は、受診をお勧めします。
今や花粉症の人口は1,000万人以上に上り、もはや“国民病“とも言われています。
原因は食生活や住環境の変化により、アレルギー体質の人が増加していることや、大気汚染(ディーゼルエンジンの排気ガス)など、さまざまな要因が考えられていますが、戦後植林したスギ林の樹齢が30年を超えて花粉の量が著しく多くなっているのも原因とみられています。
アレルギー性鼻炎の一種で、特に植物の花粉が原因となって、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目の痒み、目の充血、涙などの症状を引き起こします。スギやヒノキの花粉がよく知られていますが、これら以外にもアレルギーを引き起こす植物には、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギほか、たくさんの種類があります。